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Diary

主に音楽と漫画、創作物に耽る日々。
一言コーナー:母校がアニメの聖地になりました。
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どこかで僕を見ている 胸に目覚めた痛みを
【よゆーないのにうだうだ】

本日もうんちく。
タイトルは【キャラクターの東城化】。

ご意見があればメールフォームにでも。悪戯はご法度野郎。
【キャラクターの東城化】

さて、以前書いたタイトルについて話そう。
「キャラクターの東城化」である。
これが何を指し示す言葉なのかという事を話す前に、
まず1つ河下作品の特徴についてざくっと括っておきたい。
基本的にいちごを見ても、りりむを見ても、果てはあかねやかえでを見ても、
男の子が喜びそうなサービスシーンが満開で、これは1つのウリにしている。
しかし、河下作品の真髄はここではない。
女性作家ならではの心情描写、演出が、
そのエロエロシーンの幕を上げると隠れているのであり、
この2段構えの構図がディープなファンを掴んで離さないのだと思っている。
いちごを読んで「ただの萌えエロ漫画かと思いきや結構いい」と口を揃えるファンがいるのがいい証拠で、
りりむが「少女漫画」と呼ばれるのもその特徴を物語っている。
逆に、少女漫画時代のあかね、かえでについて「男性向け」と言われるのは、サービスシーンがあるからだ。
少女漫画のテリトリーでは「少年漫画っぽい」と言われ、
少年漫画のテリトリーでは「少女漫画っぽい」と言われる。
前者は「サービスシーンやかわいい女の子」に代表される外面的描写が少年漫画的であり、
後者は切ない心情描写や演出に代表される内面的描写が少女漫画的であるという事を物語っている評だと思う。
この両方を兼ね備えているのが河下作品の特徴なのだ。
しかも、やはり作品と言うものは内面的要素を本質として受け取られるだけに、
好きな人からすればそっちが中心に見えるだろう。
意識的にそうしている場面も勿論あるだろうが、やはりこれは河下女史が女性であるという所が大きい気がする。
この手の路線では、いわば直系の先輩に当たる桂正和氏の「電影少女」をガッツリではないが、読んでみた事がある。
そしたらサービスシーンを見ても、外面的描写は同類であるのは間違いないのだが、
内容は「愛とは何ぞや!」「負けるか!」とか、なんか少年誌的熱さが滲み出ていた。
河下作品では0に近い要素なので、こうも違うか!となんだか面白かった記憶がある。
泉坂の映研のやり口よろしくお色気で売ったら意外に中身もいいじゃない、というのはなんかヤな気もするが(笑)、
ギャップも活かして尚、効果を生んでいる感じ。
厳しく考えると、切り札たる心情描写もこの程度のものは、
本来の家元である少女漫画の世界ではごまんとあるのかもしれない、と思う。

さて、外面的描写はさておき、内面的描写になると、どうしてもシリアスになるものである。
例外は真中やこずえの(ストーリー的にどうでもいい)妄想であるが、これは別物と考えて頂きたい。
シリアスになると、やはり作家としてもキャラクターへ感情移入し、主観的な部分が出るのではないだろうか?と思う。

さて、その「シリアス」がいちごでは誰に注がれていたか?

もう答えはお解りだろう。東城綾である。
お色気満開コメディを売り出しつつ、たまに伝家の宝刀のようにシリアスな描写をする、
その「シリアスな描写」の度合いがやたら郡を抜いて大きかったキャラクターが彼女だ。
(※「質と」、というのを入れていましたが省きました。質も良いのならば彼女に対する共感はもっと増えたはずで、
河下女史が描く目的から裏目に出ていた要素がたんまりあるからです。)
以前書いたように、他のキャラクター構成が彼女を中心に取り囲んでいる構成的見地も相まって、
作品として見た時、主人公はあくまで真中なのであるが、
それゆえ彼女にはまるで少女漫画の主人公、的な印象が存在する。
これは西野、北大路らには全く見られない要素だ。
また、前回書いたように、コメディ部分もあるにはあるが、完璧に"モード"が違う。
「作者のお気に入り」とよく呼ばれているのも、そういうシリアスな内面描写を注ぎ込むという事に、
主観的に作者個人の思い入れが入り込み、その表れと判断されているからである。

ただ、実はこれというのは東城綾特有のものではなく、割とワンパターンな気もしなくもない。
シリアスになると、元気っこは×で「女の子はか弱い存在」という売り方が多い気がするのだ。
不思議なのは、東城と対称的に描かれている西野に対してこれが終盤注ぎ込まれているという事だ。
初期のサバサバした所はどこへやら、やたら女のジメジメした部分が目立つようになり、
それというのは東城が抱える、あまり見ていて好ましいとは言えない心情描写に通じるものがある。
逆に、不安(=東城)がいないとなると途端に元気っこ(しかもさつきのように色事ばかり求める)になるので、
どうにも現金で女の弱い部分を武器にしているキャラ、という感じがして、
かわいいのだけれど、かわいげのないキャラだなーと思ってしまった。申し訳ないけど。
さて、なんでそんな本来西野に不釣合いな東城に似た内面描写が唐突にここへ来て増えたのかと言うと、
西野とくっつける以上、彼女に思い入れを注がなければ…!という女史の言い聞かせにも似た感情の表れ、
というのは流石に邪推だろうか。
いわばいちごの後半は東城vs東城(化した西野)の戦い、という構図と言える。
付け加えると、「学校一のアイドル」(=醜いアヒルのコのライバル)などといった、
西野に対して不利な初期条件は、全くなりを潜めているのは偶然なのだろうか?と思う。
尤も、そういった「女の子は切なくか弱い存在」という描き方は東城に対してはずっと注がれていたので、
終盤になって、今頃西野にくっつけてもね〜という愚位置な印象がする。
が、西野に思い入れを注ぐあまり、
個性と愚位置であるという客観的判断が鈍っているのではないか?と考えると、
(ただし、展開の都合上の問題は省いて考えている。
例えば、164話であそこまで異様に不安を抱いて退場なんてのはちょっとおかしい。
あれはちなみの退部騒動と同じようなものです。)
「シリアスに描くと、女性は切なくか弱き存在に」というのは一つの癖になっているのではないだろうか?と思う。
こちら劣化版東城という表現(いやアンタ好きなキャラの欠点を抽出してそう例えるのはどうなんだ?…とツッコミを入れたくなるが(笑)、それは別として)や、
こちらの、
自分にはよくわかりませんが、とにかく終盤の西野や東城の性格にはどことなく個性がなく、あれは彼女等ではなく作者が入っていたのではないかと思います。
というのもまさにその辺りの指摘なのでは?と勝手に思わせていただいている。
(余談だが後者の方が河下女史の血液型がOと書かれているのだが、本当はAです。
割と長い間私が間違ってOと書いてたので、どうもウチに来た方?と思ってしまうのですが・汗)

そう考えると、別に東城特有のものではないのだが、
彼女が最も統一感を誇っており、相当量でその描写が注ぎ込まれているので、
タイトルに使わせてもらった。
また、忘れてはならないが、作者の愛情が先か、東城のキャラがそれを引き出させたのか、それは解らないが、
この作者の自己投影と東城自身が備えるキャラ設定が相乗効果を生み出し、
よりその心象描写に磨きをかけたのは間違いない。
これはりりむでも同じ。彼女はお気楽キャラから恋愛感情が芽生えた終盤、途端にこの類の変化を起こしている。
いちごについては、東城・西野といったキャラの個性がぶつかりあってはいけない作品として横割りで語ってきたが、
りりむでは、同一人物の時間的縦割りの変化なのでもっと説明している事がわかりやすいかもしれない。

まぁ尤も、〆の段階ではシリアスにせざるをえないのもあるし、
じゃあシリアスにした場合、他にどのような描き方があるのか?と問われると正直答えるものがないので、
(癖かな?とは思うのだが、「女の子は切なくか弱く」という書き方が少し幅が広がりすぎた表現である気はする。)
致し方ないといえばそれまでなのだが、少女漫画臭が強くて失敗、と言われるりりむを考えても、
どうにも少年誌の読者層をターゲットにした、
「男性の庇護欲をそそらせる為」という計算に基づくものであるようにも見えないので、
女史個人の思い入れ・自己投影の類が如実に表れているのではないかと思っています、ハイ。
作品というのは、真に迫る描写と受け止められているものに、
作者の意思というものは体現されているものだと思いますからね。
ちょっと願望込みだけど。
しかし、これらを全て計算でやって、
私の様なファンに自身を性善説に由って作品を評価させる自己防衛策とは見ていません。
最終巻のフォロー丸出しのコメントは別にしても、
そこまで計算の出来る人なら、そもそももっと作品自体を高い水準で完成させられたはずでは?と思うからです。
終盤に河下水希が本気で描いたのは綾で、つかさ、真中はほぼ読者サービスと割り切り、
故に作りこみが甘かったのだろうと思っています。
(勿論、その東城を散々利用しているように見える事に考慮が行届いていないのは×ですが。)
今まで挙げてきた不満もそういう立場だと非常に判り易い欠陥ばかりだと思います。

※補足ですが、
ラストで庇護欲をそそる為とは思えない、とは書いていますが、
東城の設計そのものは男子読者の庇護欲感を満たすコンセプトのキャラでしょう。
言うまでもないですが。
| 俺様いちご論 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0)
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